「なぁ、助けてくれよ。」

それが俺がここに入るきっかけだった。

最近はいろいろなうわさやデマ、陰謀論が飛び交っていた。

『俺は見たんだ。あの通りで何か作業をしてるのを。きっとどこかの団体に違いねえ。』
       ‥‥
『そういえば、〇〇ってあるじゃん?あれって☐☐らしいよ。』

俺は最初気にしていなかった。それでも、時々聞く話はそうに違いないと思うことにしていた。

そうやって。平穏に人生は過ぎていくものだと、そう思っていた。

でも、日常はそれを許さなかった。

どこかで狂ってしまったのかもしれない。ただ、もうそれがどこかなんてどうでもいいことだ。

俺は検察官になりたかった。

人は平等で、自分は正しいと誓って生きてきた。

だから、ほうっておけなかった。

君は知っているだろうか。

そちらには存在しえないものがこちらにはあるということを。

俺たちは時々不安になる。本当に人類の光となれているのかと。

もう時間がないようだ。

もう少し話していたかったが、俺にはやるべき仕事が残っているらしい。

君の世界が平和で、安らかでありますように。

じゃあな。

Agt.黒影は去っていく。

そして物語も幕引きへ向かっていく。

朽ちることのない夢。終わりなき旅に。

彼らは、いつしかたどり着くであろう。

終着点へと。そこには何が存在するであろう。

幸か不幸か、ここは物語である。

始まりがあれば終わりもある。

失ったもの、得たもの、すべてがここに残っている。

たとえどんなものであったとしても。

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